入間市出前講座「公共施設マネジメントについて学ぼう」を開催

 

2019年6月15日、高倉公民館にて第1回出前講座「公共施設マネジメントについて学ぼう」を開催しました。

入間市・マネジメント課から4名を招き、参加者10名で議論を交わしました。

 

(主な質疑応答)

①入間市を9地区で分けるのではなく、もっと小さなコミュニティーとして考えることはどうか?

→9地区の分け方については、見直すことはない

 

②施設(建物)が2~3割削減されると、維持費が5割以上も少なくなる根拠は?

→施設(建物)を削減していくと30年後には163施設から130施設になる(20%減)

床面積32.3㎡-23.7㎡(27%減)

概算事業費は47億円-19.7億円(58%減)

 

③高倉小学校と黒須小学校を統合して中間地点に新設することになるが、用地確保はどうなってる?

→未定

 

④小中一貫校として、黒須地区に1校、高倉地区に1校という考えはあるの?

→教育委員会と協議して、そういった考えはない

 

⑤人口減少がおさえられれば、公共施設の削減の必要性はなくなるの?

→見直す用意はある

 

⑥西部地区の変更については?

→入間川の両側に学校を残す方針。野田中学校は入間市の外れにあり、西武中学校は地区の中心にあるため

 

⑦博物館は年間3億円の維持費がかかる。これをどう考えるのか?

→採算は考えない

 

⑧5年後に予定されている「地域協議会」のメンバーの公募枠は?

→2名程度。学校関係者を増やす予定。傍聴もできるようにする予定


入間市出前講座「出前教育長室」を開催

 

2019年7月20日、教育委員会から教育長他計5名の方においでいただきました。
最初に、現在の入間市での小中学校の教育について下記の説明がありました。


入間市では昭和60年、約2万人をピークに子どもの数が減少し、現在は1年毎に約300人ずつ減り続けています。学年で1クラスしかないと、人間関係でトラブルがあった際、クラス替えができないことは望ましくないこと 。さらに学校のクラス数が少ないと教員の数も減ってしまい、一人あたりの教員への負担が重くなり、部活動の数が減少する。
そういった現状を踏まえて、入間市で工夫しているのが、小中一貫教育に近い形の教育である。
これは義務教育校(小中一貫校の一種)とは違い、小学校、中学校は別々にあるものの、交流を図り、豊かな人間性を育むことを目指している。
元もとは小学1年生の「荒れ」がきっかけで、保幼小連携を基盤としている。小学1年生ギャップ・中学1年生ギャップ、不登校、発達障害児への対応や理解の促進といった問題への対応で効果があった。
小中学校の交流として、小学校教員が中学学校を訪れ、チーム・ティーチングに加わった。その間、小学校では市費で雇ったサポーターの先生が教えるなど、入間市独自の工夫をしている。


受講者側から出された質問や意見には、以下のようなものがありました。

 

①「義務教育校」を入間市でやらない理由は?  
→義務教育校は、児童生徒数が少なすぎてやっていけない。複数の学校をひとつにしたというようなものであり、入間市では現段階では統廃合で十分対処できるため。
入間市でやろうとすると、現在はまだ規模が大きいので設備の数などが問題になる。それよりも学校併設型の小中一貫教育の方がよい。義務教育校だと教育の質は低下すると思っている。

 

②学校の適正規模について。たとえば黒須小学校区でも、高倉小学校の方が近い場所もあるのではないか?
そういう学区割を調整して、人数の少ない小学校の児童数を増やすこともできるのでは?

学区割の見直しは難しいのか?

→過去に検討したことはある。部活などの関係で学区外の中学校に通う生徒もいるし、ふたつの学校のどちらにも通学できる地区もある。最初に学校ができるのではなく、地域があって後から空いている場所に学校ができる。地区によって経緯や事情も違う。今回の9地区の計画では、学区割の見直しはやっていかないといけない。

 

③教員をしているが、1クラスの人数は今よりももう少し少ない方がよい。35人学級くらいがちょうどよい。学校を一度潰してしまうと再び作るのは大変である。なんとか35人学級で維持してもらえないか? WHO(世界保健機関)は少人数学級を推奨している。1学校100人、1クラス16人くらいが世界の流れである。

1校で運動会ができなくても、複数校で合同体育祭にするなど工夫できないか。

学級数が少ないと、教員の割り当ても減るなどの問題がある。どうしても学級数が必要なら、1クラスを少人数にして2クラスにできないか。市でお金を出して、よい環境にできないか?

少人数学級の方がきめ細やかな対応ができるのではないか?

→学級あたりの人数を変えるのは、市の権限を超える。裕福な市ならともかく、入間市は……。
小中一貫教育のためのサポーターの費用は市費で出してもらっているが、学級の少人数化や教員の定数増は、全国の教育長会議が国に対して要求しているが、少子化を理由に文科省の方になかなか予算がつかない。  

 

④教育特区化して少人数学級にするのはできないか?

→入間市独自では難しい。学級数などについては、国の基準がある。入間市では教科支援員・子ども支援員・サポーターなど、市でできることは独自にやっている。

 

⑤小学校の統廃合には、教育委員会はどれぐらい関与していたのか?

→市としての計画なので、教育委員会も調整に参加している。当初の計画で、複合化の計画が出たが(図書館分館を小学校に複合化)、不特定多数の人が入出する場合、セキュリティへの不安が出ると協議した。

 

⑥バプリックコメントで、高倉小学校に公民館などを不特定多数の人が出入りする不安が出ないような形で複合化する案が複数出されていた。図書館複合化の際の回答の使いまわしをされているが、教育委員会でも検討はしたのか?

→していない。

 

⑦高倉小学校を黒須小学校に統合する案に、教育委員会はかかわっているのか?

→地域の中心に近い場所に作ることが可能であればとは言った。説明会が繰り返される中で、中間地点にという話になった。

 

⑧先生の負担が多いのではないか、働き方改革と言われているが?

→教員は、やろうと思えば際限なくできる仕事。働き方改革は市だけの問題ではなく、県や国の問題でもある。負担軽減をしていくのは大事だがなかなか業務量は減らない。

 

⑨学童保育の管轄は? 子どもが少なくなっているという入間市で待機児童がいるとは……。

→教育委員会ではない。待機児童がいるのは知っている。

 

⑩統廃合について教育委員会ではどう思っているか?

→賛成反対ではなく、今回の計画のなかでやっていきたい。人口が減っていて、オール単学級になったら地域からどうにかしてくれという声が出ただろう。

 

⑪学区の審議会があるそうだが、統廃合が決まる前に見てから計画を立ててほしかった。5年後の地区検討会の前段階で人口の動態などを見て、学区域内で適正な人数が必要であれば毎年でも見直してほしい。

スクールバスの事件もあった。小学校は子どもが自分の足で歩いて行ける場所にあってほしい。入間市で安心できる教育環境があることが、若い人を呼べる要素になるのではないか。安心して通える学校があることが大事。教育を切ることを最初に考えないでほしい。

現在、高倉地区には新しい住宅が増えていて、小学校が近くにあるからこの場所を選んだという人、やがて誕生する子どもが通う学校のこととして切実に悩んでいる人もいる。また、学校があるからこの地区に住みたいと思っている人たちがいる。

小学校を地区から失うことは、その地区には若い人はこなくてもよいと言うようなものである。学校は一度潰してしまったら、再び作り直すのは大変だと地域住民からも言われている。小規模校としてでも残してほしい。建物も校庭も残すのであれば、地域施設などに転用するのではなく学校として残してほしい。その方が給食室も稼働するので災害時の避難所としても安心である。

子どもが減るという話ばかりで、若い人を増やそうという話が聞こえてこない。声を上げないと高倉地区には公共施設は残らない。

また、高倉地区に住んでいる者として、学校の負担を減らしていきたい 。

→「学校応援団」という組織が学校ごとにあるので、ぜひ問い合わせてみてほしい(高倉小の場合、図書・読み聞かせ・英語などで応援することができたかと思います)。


2020年7月25日 定例会開催